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執筆者の写真安田 雄太郎

事業者連絡会で虐待防止研修を実施


虐待防止研修

 2022年11月29日、枚方市障害福祉サービス事業者連絡会は、枚方市総合文化芸術センター別館 大会議室で、「障害者虐待の防止」をテーマに研修を行いました。


 周知のように、今年度から虐待防止委員会の設置や虐待防止研修が事業所に義務づけられました。背景には、障害者虐待の増加があると考えられます。虐待の発生要因として「教育・知識・介護技術等に関する問題」が最も多いとされています。一方、福岡市で放課後等デイサービスを運営する法人の理事長による虐待事件に象徴される「専門性」「療育」と称した虐待も発生しており、障害を社会モデルで捉え、当事者(利用者)の人格・意思決定・自己決定を尊重するという「支援の原点」をあらためて確認していく必要があると考えます。


 講演では、3人の講師にご登壇いただき、福祉指導監査、枚方市障害者虐待防止センター、事業者(支援者)のそれぞれの立場から、障害者虐待防止の取り組みや仕組みなどをお話いただきました。


●安田雄太郎 事業者連絡会会長 あいさつ


 本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。


 さて、本日の全体会は「障害者虐待の防止」をテーマに、福祉指導監査課、枚方市障害者虐待防止センター、生活介護事業所のそれぞれの立場からご講演いただきます。


 厚生労働省の公表によると、2020年度の全国の障害者に対する虐待件数について、親や家族など養護者による虐待は、相談・通報件数が6556件と過去最多で、このうち虐待と判断された件数も、これまでで最も多い1768件とされています。また、障害福祉サービス等従事者による虐待は、相談・通報件数は2865件、虐待と判断された件数は632件と、こちらもともに過去最多とされています。


 障害者への虐待について、明らかにしておきたいことが2つあります。

 1つ目は、私たち事業者による虐待について。虐待の発生要因として「教育・知識・介護技術等に関する問題」が最も多いとされている一方、福岡市で放課後等デイサービスを運営する法人の理事長による虐待事件に象徴される「専門性」「療育」と称した虐待も発生しています。いずれにも共通する問題として、ビジネスの手段として障害者を利用することが最優先で、障害者の人格や主体性を尊重し支援するという前提が欠落している事業者・従事者による虐待が後を絶たないということです。

 2つ目は、虐待を生み出す構造に関する行政責任について。この場合の構造は、虐待防止委員会の設置や研修の実施という事業所の体制・取り組みはもとより、長期にわたる社会的入院や大規模コロニー政策以降の施設への隔離・収容という構造です。人格の尊重とは程遠いこれらの構造が、虐待発生の背景にあると考えます。先日実施された障害者権利条約の対日審査においても、これらの行政責任が厳しく追及されています。


 本日の研修をとおして、虐待防止に必要な知識・考え方を学び、当事者の人格・意思決定・自己決定を尊重するという「支援の原則」をあらためて確認していきたいと思います。


 事業者連絡会としても、枚方市障害者虐待防止関係機関会議等をとおして行政と連携しながら、虐待の防止と地域生活の推進に向けて、取り組みを継続していきたいと思います。

 今後とも、事業者連絡会へのご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。



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